2014年度 学位記・褒賞授与式(2015年3月26日)

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応用化学科および応用科学専攻研究科の2014 年度学位記・褒賞授与式は、2015 年3 月26 日(木) 16 時より、西早稲田キャンパス 63号館2F大教室にて式次第に従い門間聰之教授の司会で執り行なわれました。

今年は、学士157名、修士102名 博士7名 合計266名へ学部卒業生、修士修了生の研究室代表者に学位記が授与されるとともに、続いて昨年度に制定された応用化学科褒賞授与式が行われました。


            式次第(左:応用化学科褒賞授与式  右:学位記・褒賞授与式)




松方正彦主任教授から各研究室代表に学士、修士の学位記が授与されました。

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学位記授与(左: 学部:伊藤駿君、 右: 大学院修士:古俣佑馬君)

☆応用化学科褒賞授与式

引き続き、応用化学科褒賞の授与式が執り行われました。松方正彦主任教授から以下の通り本賞設立の経緯、主旨等の説明があり、本賞および副賞が細川研究室の江島大貴君に授与されました。

「優れた業績をあげた学生を表彰して更に人間的な成長を促すことを主旨として設定した褒賞です。対象となるのは先進理工学部応用化学科4年生の皆さんです。受賞者は、今年度1名で学業成績と人物の総合的評価でお一人ということになりました。

この応用化学科褒賞は、OBの皆さんと我々教員および教員OBの寄付によって成り立っているもので、私達教員の気持ちを込めて対象の方に授与するものです。


応用化学科褒賞授与
受賞者:江島大貴(えじまひろたか)


応用化学科褒賞

早稲田大学先進理工学部応用化学科 江島 大貴
貴君の学業成績を2014年度卒業生中特に優秀と認め、
茲に応用化学科褒賞を送り表彰する
2015年3月26日
          早稲田大学先進理工学部長 竹内 淳


おめでとうございます。副賞を用意させていただきました。
江島君のお名前と先進理工学部応用化学科の名前を刻んだバカラの時計です。」


江島大貴君へ応用化学科褒賞と副賞の授与


受賞挨拶する江島大貴君

江島大貴君は、つぎのような受賞挨拶を行いました。

「このたび応用化学科より応用化学科褒賞を授かり身に余る光栄と心より感謝しております。このような栄誉ある褒賞を賜りましたのも学部4年間の講義、実験を通して応用化学科の幅広い学問をご教授いただきました諸先生方のお蔭であると心より厚く御礼申し上げます。

本褒賞は、応用化学科の先生方および応用化学科を卒業された校友の方々からのご寄付により設立された賞であると伺っております。1917年の創設から約百年の歴史と伝統を持つ応用化学科より本褒賞を賜り、身の引き締まる思いであります。

私は、高等学院にてこの応用化学科をご卒業なさった先生から化学の楽しさを知り大学でもより深く学びたいと考え、応用化学科に進学いたしました。先生方の個性あふれる講義を通して化学を応用することの醍醐味を知り、豊富で多分野に亘る実験実習を通してその魅力を実感することができました。加えて、この学び舎で志を共にする素晴らしい仲間に出会えたことは私の一生の財産です

現在私は、有機合成化学部門の細川研究室にて生理活性物質の全合成研究に取り組んでおります。研究の場ではこれまでの座学とは異なり自分の考え通りに行かないことが多々あります。化学を応用することの難しさを感じ、その奥深さを思い知らされます。しかし一方で、未だ誰も足を踏み入れたことのない領域を切り拓いていく研究にやりがいを感じております。大学院進学後も本褒賞を賜りましたことを励みとし、社会に少しでも貢献すべく努力を重ねていく所存でございます。

最後になりましたが、本褒賞を通じて励ましをいただきました応用化学科の先生方、校友の皆様方に重ねて御礼申し上げます。 また、今日まで私を支えてくださった家族、同級生、諸先輩方にも併せて御礼申し上げます。

今後ともより一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。」

☆祝辞:松方正彦主任教授

続いて松方正彦主任教授から以下の祝辞がありました。


祝辞を述べる 松方 正彦主任教授

「学部生の皆さんご卒業おめでとうございます。修士課程を修了された皆さん、おめでとうございます。 また、彼らの学生生活をここまで支えていただきましたご家族の皆さまにもお祝を申し上げたいと思います。おめでとうございます。

さて、大学院に進学してくる皆さんは、また明日から新しく我々の仲間として研究生活が続く訳ですが、ここを巣立っていく皆さんに少しだけ最後に主任として申し上げたいと思います。

早稲田大学先進理工学部の応用化学科、応用化学専攻は、「役に立つ化学、役立てる化学」を標榜しております。皆さんは社会に出てどのような形で、ここで学んできた化学を役立てよう、役立たせようと考えていらっしゃるでしょうか。化学は、物質を司る学問でありますからその応用範囲はとても広く、皆さんの旅立って行く先も様々な分野に広く展開されていると思います。

一方で、化学産業は、製造業の根幹をなすものですから日本の製造分野の柱を大きく担っている学問を皆さんは学んできたことに対するプライドを持っていただきたい。皆さんが出ていく社会が皆さんの夢と希望に満ちた世界を提供してくれることを期待したいと思いますけれども、皆さんの行く先はそれほど甘いものでもないとことを申し上げておきたいと思います。修士課程を修了された皆さんが24歳、25歳という年齢ですから、例えば、今から15年後、2030年皆さんは40歳、世の中のことも解り、会社のことも理解し、最前線で責任のある立場で働いていらっしゃる時代かと思います。この2030年に化学を取り巻く日本の社会はどうなっているのかということについての様々な予測がされていますけれども、例えば2030年には私共私自身の専門分野であります石油精製から製造されるガソリンと軽油との燃料は、凡そ半分になる。人口減とかハイブリッド自動車・電気自動車等の新しい技術によって省エネが進むということがあり、凡そ燃料の市場は、2030年には現在の半分になるといわれております。また、基礎化学品と呼ばれるエチレンとかプロピレンというような製品群は2030年には日本では生産量がやはりこれも凡そ半分位になるだろうと予測されています。全体の規模がその程度に縮小していく頃に皆さんは社会人としての、企業人としての最前線、責任のある立場に立つということになります。そのこと一つをとっても、それほどこれからの世の中が高度成長社会のようにどんどんと会社が大きくなり、利益が大きくなり、雇用が増えていく社会にはならないだろうということはお分かりいただけると思います。

皆さんは早稲田大学の教旨(こちら)を読んだことがあるでしょうか。そこにはよくご存知の学の独立、学問の活用、等々が書かれています。我々教員は、ことあるごとに皆さんの自立的な成長を促し、自己実現をするということを講義の合間など様々な機会に申し上げてきたと思いますが、学問の活用というのは誰が誰のためにするのでしょうか。新しい社会を創り、新しいシステムを創り、健康で幸福な社会の実現に向かって皆さんが寄与するとすれば、学問の活用というのは他者のための学問の活用ということであろうと思います。自ら研鑚して能力を磨き、役に立つ化学、役立てる化学を皆さん自らの力で創り出していく。そしてそれを他者のために活用する、他者が幸せになるために活用する。このことが皆さん自身の未来を、我国の未来を、化学に携わる者として切り拓くことになるのだと信じております。是非皆さんお一人お一人がそれぞれの持ち場で他者のために学問を活用し、未来を切り拓き、未来を創出する人材に育っていただき、そしてまた、この早稲田の杜に輝かしい姿になって戻ってきていただくことを期待してお祝いの言葉にさせていただきたいと思います。

本日はおめでとうございました。」

☆祝辞:三浦 千太郎早稲田応用化学会長

ついで、早稲田応用化学会 三浦千太郎会長からは、以下の祝辞がありました。


祝辞を述べる 早稲田応用化学会 三浦 千太郎会長

皆さん、今日はご卒業おめでとうございます。ご家族の皆様も今日の晴れ姿をご覧になり感無量の思いであろうと思います。誠におめでとうございます。

そして先生方には丹精込めて学生たちを指導され、その成果が花開き、今日の日を迎え、次の学問のステージあるいは社会に送り出すことができ、その喜びはいかばかりかと拝察いたします

皆さんは本日の卒業を皮切りに学問を継続される方は次のステージにそしていよいよ社会に巣立っていくということは人生の新しいスタート地点に着いたことになる訳であります。

私も44年前に皆様と同じ立場で、今日のこの日を迎えました。先程、松方先生は、大変厳しい将来像をお話されたと思いますが、44年前は、日本は右肩上がりの最中でありましたから、よっし!これからが人生の本当の勝負の始まりである、と武者震いをして卒業していったことを記憶しています。

さりながら、社会に出て自分の力で飯を食い、自分の力を試し、そして自分の夢、自分の想いをこれから成し遂げていくというとき学生時代には全く考えられなかったような極めて厳しい事態に直面することが多々あります。

社会組織というものは、今まで皆さんが暮らしてきた学生時代とは違って同年代の、同じ学問を目指す仲間達ばかりの過ごし易い環境下では決してありません。それぞれそれを構成している人たちの出自、年齢そして考え方、これらが全く違う人たちが集まっている集合体が社会であり、この中で自分の想いを実現していくということはなかなか大変な場面が多くなります。というのは忌憚なく言えばじつに嫌なやつも社会に一杯いるからです。

そして実に嫌なやつと何かことを成し遂げていこうとするときには一緒にやらなければならない、付き合わなければいけない、説得しなければならない、要は対決しなければならないという場面に皆さんは必ずぶつかる。そうした時にどう対応していくのか。私の経験では、ことを成し遂げていくときにこの嫌なやつは自分の立場からいえば抵抗勢力ですが、この抵抗勢力の人間が自分の味方になった時あるいは自分の考え方に同調してくれた時に実は自分のやった仕事が大成功を収めるということが多々ありました。ですから、この抵抗勢力を自分の反対者として排除するのではなく彼らをどう自分に同調してもらえるか、どう説得できるのか、どう巻き込んでいけるのかということが自分の夢を実現していく一番大きなキーではないかと思っています。

その大きな要素として何がありましょうか。この反対者に対する説得、すなわち、どういう時間をかけて説得していくか、どういう機会をとらえて説得していくのか、あるいは自分の変わらぬやりたいことに対する不動の意思、これが一番重要です。そして私は何よりもまして自分の体験上で重要であったのは、同じ考え方、同じ自分の目指すものに対して賛同してくれるあるいは相談相手になってくれる、場合によっては一緒に動いてくれる同志、年ですからちょっと古い言葉を使わせていただきますと、戦友、これを作ることが社会において物事をなしていくのに一番重要だという風に信念を持っておりまして皆さんにもこの考え方をぜひ検討していただきたいと思います。

何だ、当たり前のことをいってんじゃないか。仲間をつくれということだろう、こういう風に思うかもしれませんが。皆さんが今頭の中だけで考えている学生時代の友人として考えている仲間ではないのです。極めて厳しい条件が社会の中で突きつけられた時に初めてこの仲間同士がその価値が解るようになります。

会社に入ってしまうと学生の時よりもむしろ狭い環境下で暮らすことは結構あります。会社の中だけで手一杯、会社の中だけで一生懸命出世したい。そうすると外になかなか目を向けることができなくなってきて、付き合う人間も会社の中だけになってしまう。そして、往々にしてあるのが金太郎飴になってしまう。同じ考え方、同じ会社の同じカラーが付いてしまう。

先程の同志、皆さんはもうすっかり忘れているかもしれません。応用化学科に新入生で入った時に会費を払って応用化学会の学生会員になりました。もう一度これを思い出して下さい。同じ学び舎で同じ青春体験をした先輩達が実は数千人いるというのが応用化学会であります。皆さんは、この応用化学会の会員であります。応用化学会には卒業はありません。学生会員が社会に出れば一般会員になります。そして遠い将来には私のような体が動く限り、頭が回る限り応用化学会員として継続できる。ということは、皆さんは数千人の先輩たちと後輩を思う、思いの強い先輩たちと相談がいつでもできる応用化学会の会員でもあります。皆さんが今日の日を境に新たなステージに向かって進んでいかれる訳ですが、いろいろな注文や色々な考え方が先輩あるいは先生達からあるかもしれません。

今日の私の言葉を一つだけ覚えておいてください。社会に入った時に是非きちっとした信頼できる仲間関係を作っていただきたい。その一つの大きな人脈が応用化学会であることを是非忘れないでください。

修士課程に行かれる方は学生会員継続で、社会に出られる方は一般会員となりますが、先生に推薦していただいて応用化学会でこれから窓口をしていただく同期の皆さんの代表を評議員といい、これから、下井副会長から新しい評議員に指名された方々を紹介していただきます。

本日は誠におめでとうございました。


応用化学科教員

応化会会長、副会長

☆新評議員の任命

三浦会長のご指示により下井副会長から 2014年度の新評議員が発表されました。

「名前をお呼びしますのでその場でご起立をお願いします。


新評議員を発表する下井将惟 副会長

黒田・下嶋・和田研 小俣 佑馬さま、
西出研 岡 竜也さま、
松方研 金子 拓矢さま、
木野研 田島 友章さま、
平沢研 池田 匠輝さま、
逢坂研 小林 万純さま、
門間研 渡辺 勇太さま、、
菅原研 佐藤 悟さま、
小柳津研 永松 健太郎さま、
関根研 河野 裕人さま、
桐村研 油原 かほりさま、
細川研 奥村 真央さま、
本間研 露木 康博さま、
野田研 白江 宏之さま

以上14名です。よろしくお願いいたします。

若い人が卒業すると住所変更の連絡を忘れて、関係者が一生懸命探してもどこへ行ったかわからなくなる人が多くなる傾向にあります。一昨年から各研究室のラボリーダーになっていただいております。上記14名が新しく評議員に任命されました。この方たちが力を合わせて同期の消息を把握していただきたい旨のお願いと全員の拍手による承認をお願いします。全員の拍手で承認されました。

なお、定例の評議員会が4月25日(土曜日)に開催されます。後日、皆様にご案内があると思いますのでご出席よろしくお願い申しあげます。」

☆在校生代表からの送辞

今年の送辞は 在校生を代表して、学部3年生 内田早紀さんが、卒業生に向かって堂々と以下の送辞を述べました。


送辞 在校生代表 内田早紀さん

「寒さも和らぎようやく春の訪れを感じられるこの佳き日に晴れて卒業、修了される先輩の皆様 誠におめでとうございます。私達在校生一同心からお祝い申し上げます。皆様の自ら学ぼうとする好奇心に満ち溢れた姿勢は、自ずと私達をリードしてくださいました。また、勉学、実験指導、サークル活動などを通して力強よい激励や時にはお叱りも受けましたが、親身になって相談に乗っていただける頼れる先輩として多くの忠告、助言をいただきました。

時には私達と何の隔たりも感じさせない友人として接してくださることも多く、笑い合い、楽しくも大変有意義な時間を共有することができました。先輩である皆様が本日ご卒業を迎えられることは祝福の気持ちと同時に寂しさも込み上げてきます。これから私達も後輩の手本となり未来に向かって前進できるよう精進致します。

さて、講義中にある教授が述べられていた印象的な言葉があります。それは“やるべきことの先にやりたいことがある”です。応用化学という専門分野の習得は、多様かつ複雑であり、予想していたよりも厳しいものであったことと存じます。だからこそ、今、自分の目標、やりたいことが明確となり、皆様自身の未来を切り開くことができたのだと感じております。

引き続き、研究活動に専念される方あるいは社会の一員として活躍される方、様々いらっしゃると存じますが、これから解決すべき問題、困難に直面することがあるでしょう。しかし、「レジリエンス」、逆境を吸収し、成長に繋げ、新たな価値を見出すことで日本、世界へと羽ばたいていくことができると信じております。

最後になりましたが、早稲田大学応用化学科で習得されたことを糧に益々のご活躍を願いつつ在校生一同心より御祝申し上げて送辞とさせていただきます。

☆学部卒業生の答辞

これに答えて、学部卒業生を代表して芝山啓允君が以下の答辞を述べました。


答辞 学部卒業生代表 芝山啓允君

「本日は私達卒業生のためにこのような盛大な式典を開いていただいたことに、卒業生一同心より御礼申しあげます。

四年前、東日本大震災の影響で入学式が中止となり、通常より約一ヶ月遅れて早稲田大学先進理工学部応用化学での学生生活が始まりました。私は、早稲田大学高等学院で化学を学び、化学の最先端を学びたいという思いから応用化学科への進学を決めました。応用化学科は理工学部における三Kの一つであり忙しくて大変だと聞いていたため、入学当初は自分がここでやっていけるかどうか不安でした。そして、実際に講義が始まるとその不安はより一層強いものとなりました。専門科目の講義はどれもハイレベルで、聞いていても直ぐには理解が追いつきませんでした。後でノートを見返して復讐することでやっと内容が頭に入ってくるといった感じで予習、復習の大切さを知りました。

特に印象的だったのが清水先生の講義です。清水先生の講義は兎に角難しくて、ノートを取るのに必死でした。しかし、ノートを見返したけでは内容が分からず、教科書や専門書を読み漁って勉強したのを覚えています。

実験のレポートも大変でした。実験操作自体は特に難しいといった印象もなく、時間内に終わることができたのですが、レポートを書くのには本当に苦労しました。特に、考察を書くのが大変で、同輩達と協力して参考文献を探したり議論したりして何とか期限内に提出するという繰り返しでした。実験とレポートに追われる日々との格闘が終わると今度は定期試験の勉強に追われる日々が始まり、毎日夜遅くまで、場合によっては徹夜で勉強して試験に臨みました。高校の時とは比べ物にならないほど膨大な知識を頭に詰め込むのには本当に苦労しました。

こうして三年間、試験やレポートをこなし、四年生になると研究室での活動が始まりました。私は、清水研究室に配属されたのですが、清水研究室は、恐らくこのような研究室に出会うことはもう二度とないだろうと思えるほど個性的な研究室でした。研究室での実験は、兎に角ハードで、終電で帰ることは日常茶飯事でした。合成の期限前は研究室に泊まって明け方まで実験ということもありました。しかし、そんな環境でも一年間やって来られたのは研究室の先輩方や後輩達の支えがあったからだと思います。

そして今、応用化学科での四年間を終え、私達は、卒業という日を迎えました。皆さんはどの様な四年間を過ごし、本日卒業するにあたり何を思うのでしょうか。私は、応用化学科で過ごした四年間が楽しくて仕方がありませんでした。学科を選ぶ際に応用化学科を選んでよかった、研究室配属の際に清水研究室を選んでよかったと心の底から思っています。皆さんもきっとそうではないでしょうか。これから先、早稲田大学の大学院に進学する者、他大学の大学院に進学する者、就職する者とそれぞれ進む道は異なりますが、私達がこの応用化学科で四年間共に過ごしたという事実は変わりません。私達が応用化学科の仲間であるという事実も変わりません。そのことを忘れずにこれからも皆各々の道を歩んで行きましょう。

最後になりますが、ご指導、ご助言を賜りました先生方、様々な面でお世話になった事務所の方々、いつも支えてくれた先輩方、同輩達そして私たちの成長を見守ってくれた家族に心から御礼申し上げます。そして、早稲田大学先進理工学部応用化学科の今後の益々の発展を願いまして、答辞とさせていただきます。

☆修了生からの答辞

引き続き、修了生を代表して油原かほりさんから在校生に向けて素晴らしい答辞がありました。


答辞 修了生代表 油原かほりさん

「本日は、我々卒業生のために先生方やご来賓の皆様方のご臨席を賜りこのような盛大な卒業式を開催していただきましたことを 卒業生を代表いたしまして心より感謝し厚く御礼申し上げます。

思い起こせばちょうど六年前の今頃、私は、応用化学科の入試で合格しました。更に父親の研究室の先輩で応用化学科の教授がいらっしゃると聞き、父親と一緒にご挨拶に伺いました。その時初めてお会いしたのが清水先生です。先生がお話された内容は、正直なところ何のことか殆ど解かりませんでした。しかし、その時に清水先生が仰ったことのうち一つだけ理解したことがあります。それは日本中を見渡しても応用化学科ほど優秀で素晴らしい先生方が揃っているところはそうそうないということです。私は、清水先生のその言葉に背中を押されるようにして応用化学科での学生生活を始めました。

応用化学科では個性溢れる先生方のハイレベルな講義や嵐のように降りかかるレポートで苦しい思いをしたことも多々ありましたが、日々私のなかの化学が縦にも横にも広がっていく充実感を味わいました。卒業研究以降は、研究室で先生や先輩方の手厚いご指導のもとで研究に対する基本的な姿勢を学ばせていただき、3年間非常に密度の濃い研究生活を送ることができました。定期的な研究発表会ごとに先生方からは予期せぬ鋭い質問をいただき、その都度、悔しさをばねに確実に成長することがでたと感じています。時には辛いと感じたこともありましたが、入学前の清水先生の言葉を思い出し、この努力はきっと将来の自分の大きな糧になると信じてやり抜き、それは今では正しかったことを実感しています。そして何より共に知識を補い合い、議論し合い、時にはお酒を酌み交わして互いに労り、励まし合う仲間の存在が私の最大の支えになっていたことは間違いありません。本当に感謝しています。

私達は、4月からそれぞれの新しい道を歩み始めます。形は様々ですが、人々の幸せに貢献し、社会を支える存在になることが応用化学科を卒業した私達の使命と考え、日々精進してまいります。

最後に私達を温かく見守り、熱くご指導していただきました先生方、学生生活を支えてくださった事務所の方々並びに応用化学会の方々、本日まで私達の成長を見守り支えてくれた家族そして天国で見守ってくださっている清水先生に改めて深く感謝し、厚くお礼申し上げます。

後輩の皆様のご活躍と応用化学科および応用化学専攻の益々のご発展を心より祈念いたしまして答辞の言葉とさせていただきます。」


式場の様子

☆乾杯

応用化学科褒賞授与式及び受賞挨拶を無事通過し、恒例の応用化学科会寄贈のビールによる乾杯へと式が進みました。例年のごとく最年長教授でアメリカ電気化学会の会長を努められた逢坂哲彌教授からご挨拶がありました。


ご挨拶をされる逢坂哲彌教授

逢坂哲彌教授のご発声で乾杯

「皆さん!一言だけ。応用化学をベースに母港・母校として忘れないで戻ってくるようにしてください。ここが皆さんのこれからの成長する場所の原点だということを忘れず!ここからみなさんが大志をもって飛んで行ってください。但し、飛ぶのはStep by Stepでお願いします。

忘れないように一言は、I for WASEDA, for JAPAN, for WOLRD.

是非これを覚えておいてください。いつでもCome back to WASEDA. ということで皆さんのご活躍を祈願したいと思います。

皆様の大志の益々高からんこととその成功を祈願して乾杯!」

☆校歌斉唱

卒業生を代表して新保洋介君のエールで式場は一気に盛り上がり、応援部員を彷彿とさせる大声による指揮により、全員での校歌を斉唱、「フレー、フレー応化」、「フレー、フレー早稲田」のエールでお開きとなった。


卒業生代表 学部4年 新保 洋介君のリードによる校歌斉唱とエール

当日は 恒例となった応用化学会からの印鑑を寄贈すると共に、応用化学会副会長、委員長も招待頂き、巣離れされる皆さんに暖かいエールを贈らせて頂きました。

会場のスナップ写真 → こちら


(写真:広報委員会、 文責:広報委員会 相馬委員長)