第15回早桜会懇話会(今年度第2回)の開催報告

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2013年度早桜会第15回懇話会を12月7日(土)15:00〜17:00大阪中央電気倶楽部で開催しました。今回の講師は、住友化学株式会社の斎藤幸一氏(83年卒)で、「iPS細胞研究の最近の話題」と題して今話題の研究に関して講演いただきました。今回の講演では、2011年度の懇話会でお話しされた内容を振り返りながら、iPS細胞研究分野の最近の進展を説明されました。


講師の斎藤幸一氏

講師は、入社以来二十余年、一貫して化学物質の安全性研究に携わっている企業研究者です。近年、ES細胞やiPS細胞などの幹細胞の技術が再生医療応用だけでなく、創薬や化学物質の安全性研究などに利用され始めていることを紹介されました。

まず、導入としてES細胞とiPS細胞の関係について、復習もかねてわかりやすく紹介されました。ES細胞とは受精卵の初期段階の胚から作製された細胞で、無限に増殖する性質と、様々な体の細胞に変化(分化)する性質を持つ万能細胞です。一方、iPS細胞は、2006年に京都大学の山中教授らにより報告された万能細胞で、分化した皮膚などの細胞に3〜4種の遺伝子を導入することにより作製された、ES細胞にそっくりな性質も持つ人工細胞です。iPS細胞は、個々人の普通の分化細胞から作製することから、倫理面や個体差の問題が克服可能と考えられるため、特にヒトiPS細胞の応用研究が注目されています。講師はES細胞とiPS細胞の性質を通して、利点、問題点等をわかりやすく説明されました。

次に今後のiPS細胞の可能性を、特に再生医療に着目して実際の国内外の国家プロジェクトの状況、著名な研究者の研究内容や再生医療実現の可能性などをお話しされました。安全性研究への応用に関しては、講師らが実際に国家プロジェクトなどで実施した研究を、投稿論文などで報告されている成果をもとに解説していただきました。


懇話会の様子

講演終了後、話題性の高い分野のためか非常に多くの質問が出ましたが、聴衆の皆が理解できるように簡単な言葉を用いて回答され、聴衆一同、最先端の研究の一端をわかりやすく知ることができ大変有意義な時間を過ごすことができました。

懇話会終了後は、居酒屋に席を移して忘年会を開催し、和やかな雰囲気のもといつものように盛り上がりました。


二次会風景

以上


当日の参加者(16名)
津田 實(57) 井上 征四郎(62) 岩本 皓夫(67) 市橋 宏(67修) 田中 航次(67) 辻 秀興(67) 篠崎 匡巳(80) 岡野 泰則(83) 斎藤 幸一(83) 日野 純(84) 和田 昭英(84) 齋藤 広美(85) 脇田 克也(86) 濱田 健一(94) 數田 昭典(01) 澤村 健一(03)

(田中航次 記)

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