第2回(2006年度)給付奨学生

活性化委員会(募金委員会:河村宏委員長)の皆様のご尽力で設立された応化会給付奨学金の第2回奨学生が決定した。この奨学金制度は、多くの応用化学科卒業生のご寄付に基づく、国内の大学でも恐らく初めての試みで、募金額も、初期の目標を越えている。

2006年5月28日(日)午後1時30分―3時30分、応化会議室にて、応化会給付奨学生の選考を行った。選考は、応化会里見会長を委員長に、他4名(全5名)の推薦委員会(→こちら:2名欠席)で構成した。また、次回より新たに委員となる速水氏(前 千代田化工建設(株))にも参加いただいた。4名の申請者を面接後、各審査員が、その結果を採点し、上位3名の候補者を推薦した。なお、選考に当たっては、本奨学金の趣意書にそって、経済的困窮度、博士課程への意志、研究に対する申請者の寄与度を判定基準にして、厳正な審査を行った。

 6月8日(木)の応用化学科教室会議にて、この推薦結果を審議して、第2回の応化給付奨学生が決定した。奨学生は、誓約書を提出して、応化会活動への積極的な寄与を約束した。

高橋 信行 君
(黒田研 M1)
メッセージ
伊部 武史 君
(西出研 M2)
メッセージ
三上 貴司 君
(平沢研 M2)
メッセージ
 この制度が、修士課程の学生で、博士後期課程進学への強い意欲のある経済的に困窮する諸君を援助する奨学金として定着するために、応用化学科OB諸氏の一層のご支援をお願いする。
(河村、平沢記)

第二回応化会奨学生選考にあたって
早稲田応用化学会会長 推薦委員 里見 多一
 第二回目応化奨学生選考委員会を去る5月28日に開催しました。
 先ず、皆さんに報告させて頂きたいのは、応募された博士前期課程学生の皆さんが、 自らの後期課程進学に対して確りとした考え方、姿勢を持たれていた事です。 勿論、 指導教授の推薦状が託されているので、当然と言えるのかもしれません。 そして、 その意味では「全ての希望者に奨学金給付を・・・」と思うのも当然でしょう。

 しかしなが、原資には限りがあり、また募金趣意書にも経済的支援を謳っている以上、 厳しい経済環境に在ると思われる学生を優先して選抜しなくてはならないと言う事であります。
 丁度、2007年問題、即ち、団塊の世代者が定年退職を迎える時期に辺り、飛び級制度が 生まれたとは言え、通常3年は掛かる後期課程に必要な学費や生計費を親からの仕送りに 頼る事は、二親に恵まれている子弟にとっても厳しい事は想像されます。 ましてや、片親 からの支援では言う迄も無い事でしょう。

 第二回3名の選抜に当ってはこうした事に十分配慮した結果である事を報告致します。
  内一名は修士1、2年の連続給付する結果となりました。 今回初のケースであっただけに、 選考委員の皆さんと十分な審議を重ねました事を付け加えさせて頂きます

第二回応化会奨学生選考経過について
早稲田応用化学会 活性化委員会・募金委員会 委員長 推薦委員 河村 宏
今回は、籏野委員が東海村勤務になったこと、大林委員が業務の都合があり、欠席となりました。ご両人とも更なる重責を負われて、今後暫くは無理をお願いし難い状況ですので、 引き続き委員としてご都合の付く限り参加を願う事にして、種々の助言をお願いする事にしています。その補充をも含めて、新たに速水 清之進氏に推薦委員を引き受けて貰うことになりました。

前回も痛感しましたが、選考会で接する学生諸君からは、苦学して最高学府を目指す強い意欲と研究に対する情熱が溢れている事に感銘を受けます。父親を早く亡くして母親一人の手で育て息子の将来にかけている家庭、父親が定年退職し、修士、博士課程と続く高額な学費に耐えられなくなり、奨学金なしには、学業を全うする事が難しい家計、そんな環境にあっても勉学の熱意を失することなく、ひたむきに研究を極めようとする熱意に触れると、一人でも多くの学生を救済したいと言う思いに駆られます。

大学側からは、応化会奨学金の趣旨に沿った推薦を頂きました。今後とも連携を密にして 若者の将来に期待したいと思います。
(平成18年6月17日記)

推薦委員からのメッセージ

第2回応化会奨学金給付生選考にあたって
早稲田応用化学会 活性化委員会・基盤強化委員会 委員長 推薦委員 柳澤 亘
 昨年に引き続き応化会の奨学金給付生の推薦委員として学生さんの選考に携わることになりましたが、事前にいただいた学生さんの申請書類、担当指導教授の推薦状等を読ませていただきますと、今回はいずれの学生さんにも給付してあげたいと心から思いました。しかし残念なことに奨学資金の財源であるOBからの寄付金がそれほど潤沢でない現状では、規定の人数に絞らざるを得ません。皆さんいずれも優秀な大学院生でありますので、やはり経済的な生活の困窮度が選定の最大の基準になってしまいますが、それはやむを得ぬことと思います。研究や実験で大学に泊り込むことも多く、その貴重な時間をアルバイトなどに費やすことがないようにしてあげたいと思います。  今後もOBの皆様方の暖かいお気持ちをもって、募金に積極的にご協力いただきまして、一人でも多くの学生さんの支援ができることを願っております。

応化給付奨学金選考にあたって
早稲田大学理工学部 応用化学科教授 推薦委員 平沢 泉
 今年で、2回目となった奨学金の審査は、前期(2005年度は、後期)に設定した。これは、大学院修士向けの他の奨学金と同時期に審査をするとの教室側の意向を受けた結果である。従って、年度初めの4月に実施した大学院修士学生向けのガイダンスにおいて、学生に十分な周知できたと考える。2回目でもあり、審査過程は、昨年ほどの混乱はなかった。審査員は、事前に送付された申請書類を熟読していて、教室の先生方とは、ひと味違う質問で、学生の考え方や、平素の生活態度を引き出していた。OB諸氏の苦学している学生を支援したいとの要望を十分に反映した選考結果と確信している。

2006年度「応用化学奨学生審査」について
早稲田応用化学会 活性化委員会・募金委員会 推薦委員 速水 清之進
 審査の方法については委員会のほうで何らかの取り決めがあったのでしょうが、今回はそれにこだわらず、見学かたがた審査に参加しました。審査の主点が本人の経済環境に置かれました。以下に示すよう当然と考えられます。

審査のポイントは(1)学業、(2)人柄、人格、(3)経済環境と思いますが、学業は教授の推薦状により各々優秀で特に審査不要と云うことで、経済環境を扶養者の収入調書から審査しました。この調書の確認の話し合いからその人柄を把握しました。更に現在行っている研究の現況を聞き学業成績の参考としました。4名共に学業、人柄共に適正と認められましたが、 奨学生の枠3人を経済環境を重視し決定しました。

 敢えて今後の問題点を提起すると、学業の評価を各学科の成績、又は順位表 など定量的な資料を戴き、これを基に行ったらどうかと思案します。

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